姑と二人暮らしだった義兄が、ある日突然心筋梗塞で亡くなりました。姑のデイサービスの迎えにきた介護業者の方が、何度チャイムを鳴らしても応答がなかったため、警察に連絡をして発覚しました。認知症の姑は息子である義兄が亡くなったことに気づかず(理解できず)、義兄の亡きがらの傍でキョトンとした表情で座っていたそうです。
あまりに急なことで慌ただしく家族葬を済ませ、姑は運よくお世話になっていた(義兄の第一発見者である)介護業者のホームに入居できる目途がつき、遺族一同少し安堵していたところ、義兄の自宅をどうするかという話し合いをすることになりました。
遺族はそれぞれやや遠方に住んでいたこともあり、義兄の自宅は売却することで全員一致で決まりました。
それにあたって遺品整理をしなければならないという話の中で、遺族の我々ですべて行うのは難しいため、どこか業者に頼んだ方が良いのではないかと夫が言い出し、別の親戚が「どこで亡くなったことを知ったのか、(義兄の)家のポストに遺品の回収業者のチラシがたくさんはいっているよ」と言っていました。
それらのチラシも参考にしつつ、インターネットで「遺品整理」「不用品買付け」の業者を調べ、口コミなどで評判の良い業者を3社に絞り、見積に来てもらうことになりました。
3社の見積は20万・50万・60万でした。50万と60万の遺品整理の回収業者は、いずれも「すぐにでも処分可能です」と、やけに急ぐ雰囲気がありましたが、一番安価の20万円を提示した業者は、「お値打ちのものや思い出のお品もあるでしょうから、まずはご家族で必要なものを形見分けいただいてよいですよ」と良心的だったこともあり、正式にお願いすることとなりました。
そこで遺族総勢7人で週末に集まって、まずは遺族による遺品整理を行うこととなりました。大学生の甥っ子は「僕らが不用品だと思うものでも世の中には欲しがる人がいるんだよ」とオークションアプリやリサイクルショップを利用してかなりの数の日用品を整理してくれました。
介護ホームに入居する姑の着物やアクセサリーは女性たちで欲しいものを分け合い、残ったものは買付け業者を呼んで、思ったよりも高額で買い取っていただきました。
その他、姑や義兄との思い出の品もみんなで相談しながら分け合い、遺族として必要なものはきちんと分け合うことができました。その後、予定どおり遺品回収業者に来ていただき、ほぼ1日かけて家の中のものをすべて回収していただきました。
今回お願いした業者にとても感心したのは、遺族で整理していた時に見つけられなかった姑のパールのネックレスと指輪のセットを見つけたら、ぜひ返していただきたいとお願いしていたところ、鏡台の奥で見つけたとのことできちんと返してくれたことです。元々かなり値打ちのあるものらしく、仮に発見しても我々には見つからなかったことにして現金化することもできたはずですが、その他、遺品整理の中で見つかった現金も併せて返してくれたことにとても誠意を感じました。
その後、友人知人に遺品整理の必要が生じた時には、自分がお世話になった業者を紹介するようにしています。
業者の中には悪徳業者も少なくなく、急いで回収するだけの業者については貴重品を転売したりする業者もあるらしいので、良い業者にお世話になれて本当によかったと思っています。